生きていくこと
今日は都市部へ行ったんだ。
すごい可愛い女の人がたくさんいた。
とっても可愛いんだけど、僕には手が届かないんだ、と思うと悲しくなった。
結局、誰とも付き合うこともなく、30歳を迎えるワケだけど、魔法つかえるようになるかな。
僕も、世間のみんなが、当たり前のようにしている、当たり前の男女の付き合いがしたかったな。隣で笑う彼女は、きっと愛しくて、嬉しくて、楽しくて、
僕も茶髪で巻いていて、
淡い緑のロングワンピに
黒いライダースの女の子と
付き合いたかったな。
帰りの電車は夕暮れ時で、何のために生きているのか、わからなくなるような気がした。
僕は子供の頃から、ずっと家にこもっていた。
家にいれば、そりゃ安全だ。嫌なこともないだろう。心は穏やかで、不可侵の城だろう。
でもきっと、それは多くの時間を食べていく。
殻にこもってればいいよ、殻にこもってれば、
ずっと安全なんだから。
そうして、歳をとって、どうしようもない人生が終わる。何にも楽しいことなんて、知らないまま。
結局のところ、僕は基礎スペックが低いんだと思う。周りと比較して、どうしてスペックが低いんだ、などと嘆く時間はもう終わった。
努力をして、ようやく一人前になれるのだ。
スペックの不満は忘れるのだ。
努力を積み重ねることでしか、僕自身を認められないんだ。
努力を積み重ねることで、僕に自信を持つんだ。
毎日毎日毎日毎日、泥水を啜って努力をするんだ。そうして自信を持つんだ。